今回は、サフェーサーについて質問されたので、サフェーサーとはなにかというのを説明したいと思います。
質問内容は
言いたい事はわかります。
しかし、サフェーサーこそ一番しっかりやらなければならない部分なのです!
何故か?説明していきます!
目次
- サフェーサーのおすすめと種類
- 2液式サフェーサー スプレーガンタイプ
- プラサフ 缶スプレータイプ
- サフェーサーを研がないでいい!?ノンサンディングサフ
- サフェーサーの役割は主に吸い込み防止
- 赤系、黄色系、緑系、青系の色は同系色のサフェーサー
- サフェーサーを塗装する前の準備
- サフェーサーを塗装する前に脱脂は必ずやってください
- サフェーサーを塗装する部分の周りをマスキング
- 脱脂、マスキングが出来たらサフェーサーを塗装
- サフェーサーの乾燥時間は多めに
- サフェーサーの乾燥時間が短い場合は縮み(チヂミ)に注意
- プラサフの様な缶スプレーは乾燥時間はかなりの時間が必要!?
- サフェーサーの研ぎの番手は800番がおすすめ
- サフェーサーは必要?不必要?
サフェーサーのおすすめと種類
サフェーサーにも種類があります。専門工具が必要となる場合もありますので、自身に合ったサフェーサーを選んでください。
大きく分けるとこの様に分けられます。
2液式サフェーサー スプレーガンタイプ
このサフェーサーが一般的なサフェーサーで、サフェーサーの主剤と硬化剤を混ぜて塗装します。硬化させるために赤外線ヒーター等で熱を加え、硬化させる必要があります。サフェーサーによって硬化時間は違いますが、硬化剤を入れているので確実に固まります。硬化後の研ぎの作業がスムーズに作業ができるのでおすすめです!
ただし、コンプレッサーや、エアーガン等の専門工具が必要です。
プラサフ 缶スプレータイプ
プラサフとは、プライマーと、サフェーサーが一本にまとまった「缶スプレー」のサフェーサーといいます。缶スプレーなのでお手軽に使えるので、DIYで塗装する人におすすめです!個人的な意見ですが、缶スプレーなので硬化剤が入っていないので、このプラサフというのは硬化ではなく乾燥している状態だと思われます。乾燥時間をしっかり取らなければ後々の作業に支障が出る可能性がありますので注意が必要です。
サフェーサーを研がないでいい!?ノンサンディングサフ
通常のサフェーサーやプラサフは、硬化や、乾燥後にペーパーで研ぎをいれてサフェーサーの表面の細かいボコボコをツルツルにしなければなりません。ノンサンディングサフは、やや伸びが良く、サフェーサー塗装後にツルンと仕上がり、サフェーサーの細かいボコボコを研がなくて良いのがノンサンディングサフです。
注意点は、粘度が低く、伸びが良いので、塗装する際には垂れない様に塗装しなくてはなりません。
サフェーサーの役割は主に吸い込み防止
サフェーサーの役割は沢山あります。
- パテ吸い込み防止
- 新品部品のさび止めの吸い込み防止
- 旧塗膜と、損傷個所の段地を埋める
- 無彩色で隠ぺい率を高める
- 肉厚で適正膜厚まで引き上げる
- 小傷まで埋めることができる
- 多少のボコボコを埋めることができる
- 新品バンパーの剥離防止
サフェーサーにはこのような役割があります。
どういう事かは下で説明します。
- パテは拡大するとスポンジの様に穴がたくさん空いています。サフェーサーを入れずにそのまま塗装してしまうと、穴の開いたパテが塗料を吸い込んでしまいます。仕上がりはパテの部分だけ塗料が吸い込み、パテの部分だけが艶消し状態になり、仕上がりが悪くなってしまいます。
- 新品のドア、フェンダーは錆止めが塗装してあります。その錆止めが塗料を吸い込んでしまい、サフェーサーを入れてないと、艶がだんだんなくなってしまいます。知らない塗装屋さんもいる様で、新品部品をそのまま塗装している所も多々あります。
- 旧塗膜とパテの部分だったり、素地の部分はどうやっても段地が出てしまいます。その細かい段地をサフェーサで覆う事によって段地を埋めることができます。
- サフェーサーの色は色々な種類がありますが、どの色も隠蔽力が高く、色のトマリが良いのがサフェーサーの特徴です。しかし、赤系、黄色系、緑系、青系の色は隠蔽力が低い為、同系色のサフェーサーを選びましょう。一番トマリが早いです。
- 素地を削ると膜厚が薄くなってしまいます。その時にサフェーサーで調整することができます。厚く塗装する時、薄く塗装する時でそれぞれメリット、デメリットがあるので注意しながら、選択しましょう。
- 傷が少し深いが、パテを使うまでもない場合サフェーサーを少しだけ厚く塗装することで傷を埋めることができます。
- 2液のサフェーサーは粘度上げる事で、厚めに塗装し、硬化後に平に研ぐことができます。ラッカーの場合はグラデーションを作る様に回数を多く塗装することで厚めに塗装可能です。ラッカーの場合は規定の時間より、長めに乾燥時間をとる必要があります。
- プライマーの代わりにサフェーサーを塗装する事で、剥離防止になります。プライマーだけでは新品バンパーは必ず剥離してしまいますので、必ずサフェーサーを塗装しましょう。
赤系、黄色系、緑系、青系の色は同系色のサフェーサー
基本的に、赤系、黄色系、緑系、青系の色は隠蔽力が弱い為、普通のグレーのサフェーサーよりは、同系色のサフェーサーを選ぶと隠蔽力がぐんっと上がります。

2液のサフェーサーは少しだけ色を混ぜても硬化するので、隠蔽力が低い色には同系色のサフェーサーを塗装しましょう。
サフェーサーを塗装する前の準備
サフェーサーを塗装する時、
と、思っていても急いではいけません。サフェーサーで仕上がりが決まってしまうと言っても過言ではありませんし、サフェーサーは上塗りの練習だと思ってしっかり塗装しましょう。
しっかり塗装するための準備するものは
- サフェーサー
- マスキングテープ
- 新聞紙
- シリコンオフ(脱脂剤)
用意するものはこれくらいで大丈夫です。
サフェーサーを塗装する前に、細かいペーパーで足付けをしなければなりません。塗料も人間と同じでツルツルの場所ではくっついていられないのです。岸壁の様なデコボコした所でないとくっつかないので、細かいペーパーで足付けしてください。塗装する部分から10cm位大きくペーパーを当てれば大丈夫です。
サフェーサーを塗装する前に脱脂は必ずやってください
最初にシリコンオフで丁寧に脱脂をしていきます。
脱脂作業は重要です。
油分がサフェーサーを塗装する部分に残っていると、「ハジキ」が発生し、綺麗に仕上がらなくなってしまいます。「ハジキ」というのは、油分によってサフェーサーが乗らず、クレーターの様に凹んでしまう事を「ハジキ」と言います。
サフェーサーに「ハジキ」がでてしまった場合は、硬化後、又は、乾燥後にラッカーパテ等でクレーターを埋める必要があります。
作業がひと手間増えて、さらに綺麗に仕上がらないという事を脱脂で防ぎましょう。
サフェーサーを塗装する部分の周りをマスキング
サフェーサーを塗装する前にマスキングをするのですが、
プラサフでも、2液サフでも意外に遠くまで飛んでしまいます。塗装しない部分までサフェーサーがかかってしまうと、シリコンオフ等で拭き取らなければなりません。
気を付けなければ、シリコンオフ等で拭き取った部分の艶が無くなってしまう事もあるので、何もしない部分には極力何もしたくない為、マスキングはなるべく大きめにやらなくてはいけません。
脱脂、マスキングが出来たらサフェーサーを塗装
脱脂、マスキングが出来たらサフェーサーを塗装していくのですが、ここでも気を付けなければならないポイントがあります。
- 2液サフェーサーの場合、気温によってシンナーの選択が重要!乾燥が早いとつぶつぶに、遅いと垂れる
- プラサフの場合は、しっかりサフェーサーを吹き付ける。パラパラ塗装するとつぶつぶが多くなり、研ぎが大変になります。ビビらずしっかり乗せましょう。
基本的にサフェーサーは上塗りの練習と思ってやってください。パテが透けない厚さで2回塗装したら問題ないと思います。硬化後、又は乾燥後に研ぐので、研ぎで厚さを調整しましょう。
気を付けなければならないポイントは、マスキングテープにサフェーサーがかからない様に塗装してください。マスキングテープのスジがつくと上塗りにかなり影響してきます。
どうしてもかかってしまう場合は、サフェーサーを塗装する部分のマスキングの範囲をもう少し大きくしましょう。無理をするよりは、綺麗に仕上げるのを目標にしましょう。
サフェーサーの乾燥時間は多めに
サフェーサーの乾燥は、遠赤外線や、ヒーター等を使用し、強制乾燥を行います。乾燥時間はサフェーサーによって多少の違いはあるかと思いますが、普通のサフェーサーの厚さで
60℃、40分の強制乾燥が必要です。
サフェーサーが厚い場合はもう少し時間を増やして調整してください。
60℃、30分で一度冷やすことでサフェーサーをきゅっと絞めて、もう一度60℃で30分の様に調整をおススメします。
サフェーサーが薄い場合でも60℃で40分は強制乾燥させましょう。
サフェーサーの乾燥時間が短い場合は縮み(チヂミ)に注意
サフェーサーの乾燥時間が短い場合、サフェーサーの中が硬化していない状態で上塗りをすると、縮み(チヂミ)といって、サフェーサーが縮んでしまい、上塗りの塗装を引っ張って浮いてきて剥がれてしまいます。
縮み(チヂミ)が起きた場合は、初めからやり直しになってしまうので乾燥時間は多くとりましょう。
プラサフの様な缶スプレーは乾燥時間はかなりの時間が必要!?
プラサフの様な缶スプレーの場合は硬化ではなく乾燥といった位置づけなので、上塗りのシンナーや、溶剤で溶けてチヂミが起きてしまう可能性があります。
強制乾燥ができる環境があれば、強制乾燥をおすすめします。
出来ない場合、夏なら直射日光で半日とかで大丈夫ですが、気温が低い場合、ヒートガンなどで熱を加えるか、不格好ですが2~3日は放置することをおすすめします。
サフェーサーの研ぎの番手は800番がおすすめ
サフェーサーは硬化、乾燥後に研いでいきます。サフェーサー自体のデコボコを研ぎでツルンとさせ、旧塗膜との境目をわからなくしていきます。
サフェーサーを研ぐときは、サフェーサーが透けるくらい薄くできればベストです。

サフェーサーを落としすぎてサフェーサーが剥げてしまったら意味がないので慎重に出来るだけ薄く研いでいきましょう。薄い方が上塗りがうまくいきます。
おすすめは800番くらいです。それ以上だと、缶スプレーで塗装する場合はペーパー目が消えない可能性があります。
サフェーサーは必要?不必要?
お客さんに聞かれた質問の答えですが、
サフェーサーは必ずいります!
確かに1工程無くなればだいぶ時間も短くなるので省きたい気持ちはわかります。ですが、愛車を自分で綺麗に直したいのであればサフェーサー必要です。
すべての工程で省ける部分はプロでも見つけられないくらい、全ての工程重要なのです!
車を綺麗にしたいのであれば楽をしてはいけないという事でした。